【薬玉】くすだま
名詞
[意味]
じゃ香、沈香、丁字などの香料を錦の袋に入れて、円形にして糸や造花で飾り、菖蒲や蓬をあしらい飾って五色の糸を長く垂らしたもの。邪気をよけ、不浄を避けるものとして、五月五日の端午の節句に、柱・簾などに掛けたり身に着けたりした。肘にかけて長命のまじないともした。
古く中国から伝わり、長命縷、続命縷とも呼ばれるもの。
京には薬玉売りも現れ、端午の節供には女児がいろいろの造花を紙に張って細工したものを背中にかけたり、肘に下げたりしたという。現在の薬玉の古い名残であり、手芸品や、茶器の袋などに応用された。現在は玩具に用いられるほか、商店の開店祝い、弔事の供物などに使われるもの。