【枕草子・原文】第288段 家、広く、清気にて、 ou 5か月前 家いへ、広ひろく、清きよ気げにて、親しん族ぞくは、更さらなり、唯ただ、打うち語かたらひなどする人ひとには、宮みや仕づかへ人びと、片かたつ方かたに据すゑてこそ有あらまほしけれ。然さるべき折をりは、一ひと所ところに集あつまり居ゐて、物もの語がたりし、人ひとの詠よみたる詩うた、何なにくれと、語かたり合あはせ、人ひとの文ふみなど、持もて来くる、諸もろ共ともに見み、返かへり事ごと、書かき、又また、睦むつましう、来くる人ひとも有あるは、清きよ気げに、打うち設しつらひて、入いれ、雨あめなど降ふりて、え帰かへらぬも、をかしう持もて成なし、参まゐらむ折をりは、其その事こと、見み入いれて、思おもはむ様さまにして、出いだし立たてなどせばや。良よき人ひとの御お座はします御有あり様さまなど、いと懐ゆかしきぞ、怪けしからぬ心こころにや有あらむ。 《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!