【枕草子・原文】第257段 人の顔に、取り分きて ou 8か月前 人ひとの顔かほに、取とり分わきて、良よしと見みゆる所ところは、度たび毎ごとに見みれども、「あな、をかし」「珍めづらし」とこそ、覚おぼゆれ。絵ゑなどは、数あま多た度たび、見みれば、目めも、立たたずかし。近ちかう立たてる屏びやう風ぶの絵ゑなどは、いと、めでたけれども、見みも遣やられず。人ひとの容貌かたちは、をかしうこそ有あれ。難にく気げなる調てう度どの中なかにも、一ひとつ良よき所ところの、目ま守もらるるよ。見み難にくきも、然さこそは有あらめ」と思おもふこそ、侘わびしけれ。 《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!