【枕草子・原文】第41段 菩提と言ふ寺に ou 2年前 【第41段】菩提ぼだいと言いふ寺てらに、結縁八講けちえんはかうせしが、聴ききに詣まうでたるに、人ひとの許もとより、「疾とく、帰かへり給たまへ。いと、寂々さうざうし」と言いひたれば、蓮はちすの花はな弁びらに、 求もとめても斯かかる蓮はちすの露つゆを置おきて憂うきき世よに復または帰かへるものかは と書かきて、遣やりつ。真まことに、いと尊たふとく、哀あはれなれば、やがて、留とまりぬべくぞ覚おぼゆる。「さうちゆう」が家いへの人ひとのもどかしさも、忘わすれぬべし。 《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!