【枕草子・原文】第62段 人の家の前を渡に ou 2年前 【第62段】 人ひとの家いへの前まへを渡わたるに、侍さぶらひめきたる男をのこ、土つちに居をる者ものなどして、男子をのこごの、十とをばかりなるが、髪かみ、をかし気げなる、引ひき延はへても、捌さばきて垂たるも、又また、五いつつ・六むつばかりなるが、髪かみは、頸くびの許もとに、掻かい包くくみて、面つら、いと、赤あかう、膨ふくらかなる、怪あやしき弓ゆみ・笞しもと立だちたる物ものなど、棒ささげたる、いと愛うつくし。車くるま、止とめて、抱だき入いれまほしくこそ有あれ。又また、然さて、往いくに、薫物たきものの香かのいみじく香かかへたる、いと、をかし。 《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!