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【枕草子・原文】第79段 内裏の局は、細殿

内裏うちつぼねは、細殿ほそどのいみじう、をかしかみじとみたれば、かぜいみじりて、なつも、いとすずし。ふゆは、ゆきあられなどの、かぜたぐひて、たるも、いとをかしせばくて、わらはべなどの、のぼたるも、ければ、にやううしろなどに、かくたれば、ことどころやうに、こゑたかく、わらひなども、で、いとし。ひるなども、たゆまず、こころづかひ、らるよるはたして、いささか、べくきが、いとをかしなり
くつおとの、ひとこゆるが、まりて、ただおよびひとつして、たたくが、「ひとなり」と、ふと、こそをかしけれいとひさしくたたくに、おとば、「りにける」とおもらむねたく、すこし、じろおときぬはひも、「なり」とおもらむかしあふぎなど、使つかふも、しるし。ふゆは、をけに、やをらつるばしおとも、しのたれど、こゆるを、いとどたたさり、こゑにても、ふに、かげながらすべりて、をりも、り。
また数多あまたこゑにて、じ、うたなどうたふには、たたど、ず、たれば、「へ」とおもひとも、まりべきやうくて、かすも、をかしの、いとあをく、をかしなるに、ちやう帷子かたびらいとあざやかに、すそつますこし、かさなりて、たるに、直衣なほしうしろに、ほころえず、たるきんだちろく蔵人くらうどの、あをいろなどて、りて、やりもとなどに、そばせて、ず。へいまへなどに、うしろ、して、そでて、たるこそをかしけれ
また指貫さしぬきいとう、直衣なほしあざやかにて、いろいろきぬども、こぼたるひとの、れて、なから、たるやうなるも、よりるは、いとをかしからを、いときよなるすずりせて、ふみき、は、かがみひて、びんなど、なほたるも、すべて、をかし。三尺のちやうを、たるに、かうしもは、ただすこる、ひとうちたるひとと、ものかほもとに、いとにくたりたるこそをかしけれたけの、いとたかく、みじかからひとなど如何いかがなほつねのは、のみ

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