【枕草子・原文】第七五段 忍びたる所にて

【第75段】
しのびたるところにては、なつこそ、をかしけれ。いみじうみじかよるの、いと、はかなけぬるに、つゆ、ず、りぬ。やがて、よろずところけながらなれば、すずしう、わたされたり。なおいますこし、ふべきことれば、かたみに、いらへども、するほどに、ただたるまえより、からすの、たかきてくこそ、いと、顕証けしようなる心地ここちして、をかしけれ。

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