原文で読むための枕草子

原文で読むための枕草子

【枕草子・原文】第92段 職の御曹司に

【第92段】職しきの御曹司みざうしに御座おはします頃ころ、西にしの廂ひさしに、不ふ断だんの御読経みどきやう、有あるに、仏ほとけなど、掛かけ奉たてまり、法ほふ師しの居ゐたるこそ、更さらなる事ことなれ。二日ふつかばかり有ありて、縁えんの許もとに
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【枕草子・原文】第91段 然て其の左衛門の陣に

【第91段】然さて、其その左衛門さえもんの陣じんに、行ゆきて後のち、里さとに出いでて、暫しばし有あるに、(中宮定子)「疾とく、参まゐれ」など、仰おはせ事ごとの端はしに、(中宮)「左衛門さえもんの陣じんに行ゆきし朝朗あさぼらけなむ、常つねに、
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【枕草子・原文】第90段 物の哀れ

【第90段】物ものの哀あはれ、知しらせ顔がほなる物もの、鼻はな、垂たる間まも無なく、擤かみて、物言ものいふ声こ。眉まゆ、抜ぬく。 《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!
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【枕草子・原文】第54段 月夜に

【第54段】月夜つきよに、空車むなぐるま、歩ありきたる。清気きよげなる男をとこの、憎気にくげなる妻め、持もちたる。鬚ひげ黒くろに、憎にく気げなる人ひとの、年老としおいたるが、物語ものがたりする、人ひとの児ちご、弄もてあそびたる。 《ご案内》
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【枕草子・原文】第49段 貴なる物

【第49段】貴あてなる物もの、薄色うすいろに、白襲しらがさねの汗衫かざみ。雁雁の子こ。削けづり氷ひの、甘葛あまづらに入りて、新あたらしき鋺かなまりに入りたる。水すい晶さうの数ず珠ず。藤ふぢの花はな。梅うめの花はなに、雪ゆきの降ふりたる。いみ
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【枕草子・原文】第48段 鳥は

【第48段】鳥とりは、異所ことどころの物ものなれど、鸚鵡おうむ、いと、哀あはれなり。人ひとの言いふらむ事ことを、学まなぶらむよ。時鳥ほととぎす。水鶏くひな。鴫しぎ。みこ鳥とり。鶸ひは。鶲ひたき。山鳥やまどりは、友ともを恋こひて鳴なくに、鏡か

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