原文で読むための枕草子

原文で読むための枕草子

【枕草子・原文】第281段 方違えなどして

方違かたたがへなどして夜深よふかく帰かへる。寒さむき事こといと理無わりなく、頤おとがひなども皆みな、落ちぬべきを、辛からうじて来き着つきて、火桶ひをけ、引ひき寄よせたるに、火ひの、大おほきにて、つゆ黒くろみたる所ところ無なくめでたきを、細こ
原文で読むための枕草子

【枕草子・原文】第106段 御方々、公達

御方々かたがた、公達きんだち、上人うへびとなど、御前おまへに、人多ひとおおくく候さぶらへば、廂ひさしの柱はしらに、寄より掛かかりて、女によう房ばうと物もの語がたりして居ゐたるに、物ものを、投なげ、賜たまわせたる。開あけて見みれば、(中宮定子
原文で読むための枕草子

【枕草子・原文】第86段 御仏名の翌朝、

御佛名おぶつみやうの翌朝あした、地獄繪ぢごくゑの御屏風みびやうぶ、取とり渡わたして、中宮みやに、御ご覧らんぜさせ奉たてまつり給たまふ。いみじう、忌々ゆゆしき事こと、限かぎり無なし。(中宮定子)「此これ、見みよかし」と仰おほせらるれど、(清少
原文で読むための枕草子

【枕草子・原文】第100段 御乳母の大輔の

御おん乳母めのとの大輔だいふの、今日けふ、日向ひうがへ下くだるに、賜たまはする扇あふぎどもの中なかに、片かたつ方かたには、陽ひ、いと華はなやかに、差さし出いでて、旅たび人びとの有ある所ところ、井ゐ出での中将ちゆうじやうの館たちなど言いふ様さ
原文で読むための枕草子

【枕草子・原文】第186段 野分の又の日こそ

野分のわきの又またの日ひこそ、いみじう哀あはれに、覚おぼゆれ。立蔀たてじとみ、透垣すいがいなどの、伏ふし並なみたるに、前ぜん栽ざいども、心こころ苦ぐるし気げなり。大おほきなる木きども、倒たふれ、枝えだなど、吹ふき折をられたるだに、惜をしきに
原文で読むための枕草子

【枕草子・原文】第185段 風は

風かぜは、嵐あらし。木枯こがらし。三月やよひばかりの夕暮ゆふぐれれに、緩ゆるく吹ふきたる花風はなかぜ、いと哀あはれ也なり。八月はづき・九月ながつきばかりに、雨あめに交まじりて、吹ふきたる風かぜ、いと哀あはれ也なり。雨あめの脚あし、横よこ様ざ

You cannot copy content of this page