【枕草子・原文】第185段 風は

かぜは、あらし木枯こがらし三月やよひばかりの夕暮ゆふぐれれに、ゆるたる花風はなかぜいとあはなり八月はづき九月ながつきばかりに、あめじりて、たるかぜいとあはなりあめあしよこざまに、さはがしうきたるに、なつとほしたる綿衣わたぎぬの、あせなど、かわき、生絹すずし単衣ひとへに、かさねて、たるも、をかし生絹すずしだに、いとあつかはしうまほしかりしかば、「何時いつに、りぬらむ」とおもふも、をかしあかつき格子かうし妻戸つまどなどたるに、あらしわたりて、かほみたるこそいみじうをかしけれ九月ながつき晦日つごもり十月かんなづき朔日ついたちほどそら、うちくもたるに、かぜいたくに、なる、どもの、ほろほろとこぼつる、いとあはなり。さくらむくなどこそつれ。十月かんなづきばかりに、だちおほかるところにわは、いとめでたし

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