原文で読むための枕草子

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【枕草子・原文】第二段 頃は、正月

【第二段】頃ころは、正月しやうぐわち。三月さんぐわち。四し・五月ごぐわち。七月しちぐわち。八はち・九月くぐわち。十月じふぐわち。十二月じふにぐわち。全すべて、折をりに付つけつつ、一年ひととせながら、をかし。 《ご案内》『枕草子・目次』のペー
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【枕草子・原文】第77段 懸想人にて来たるは

【第77段】懸想人けさうびとにて、来きたるは、言いふべきにも有あらず、唯ただ、打うち語かたらひ、又また、然さしも有あらねど、自おのづから、来きなど、する人ひとの、簾すの中うちにて、数多あまた、人々ひとびと、居いて、物ものなど言いふに、入いり
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【枕草子・原文】第76段 冬の、いみじく寒きに

【第76段】冬ふゆの、いみじく寒さむきに、思おもふ人ひとと、埋うももれ臥ふして、聞きくに、鐘かねの音おとの、唯ただ、物ものの底そこなる様ように聞きここゆるも、をかし。鳥とりの声こゑも、始はじめは、羽はねの中なかに、口くちを籠こめながら鳴なけ
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【枕草子・原文】第七五段 忍びたる所にて

【第75段】忍しのびたる所ところにては、夏なつこそ、をかしけれ。いみじう短みじかき夜よるの、いと、儚はかなく明あけぬるに、つゆ、寝ねず、成なりぬ。やがて、万よろずの所ところ、明あけながらなれば、涼すずしう、見み渡わたされたり。猶なお、今いま
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【枕草子・原文】第74段 常磐木、多かる所に

【第74段】常磐木ときはぎの、多おほかる所ところに、烏からすの寝ねて、夜中よなかばかりに、寝いね、騒さわがしく、落おち惑まどひ、木こ伝つたひて、寝ねおびれたる声こえに、鳴ねきたるこそ、昼ひるの見目みめには、違たがひて、をかしけれ。 《ご案内
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【枕草子・原文】第73段 喩無き物

【第73段】喩無たとへなき物、夏なつと、冬ふゆと。夜よると、昼ひると。雨降あめふると、日照ひでると。若わかきと、老おひたると。人ひとの笑わらふと、腹立はらだつと。黒くろきと、白しろきと。思おもふと、憎にくむと。藍あいと、黄檗きはだと。雨あめ

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