原文で読むための枕草子

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【枕草子・原文】第140段 五月ばかりに月も無く

五月さつきばかりに、月つきも無なく、いと暗くらき夜よ「女房にようぼうや、候さぶらひ給たまふ」と、声こゑ々ごゑして言いへば、(中宮定子)「出いでて見みよ。例れいならず、言いふは、誰たそ」と仰おはせらるれば、出いでて、(清少納言)「此これは、誰
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【枕草子・原文】第252段 いみじう仕立てて

いみじう仕し立たてて、婿むこ取とりたるに、いと程ほど無なく、住すまぬ婿むこの、然さるべき所ところなどにて、舅しうとに遇あひたる、いとほしとや思おもうらむ。或ある人ひとの、いみじう時ときに合あひたる人ひとの婿むこに成なりて、一ひと月つきも捗々
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【枕草子・原文】第277段 ただ、あしたは、

唯ただ、朝あしたは、然さしもあらず、冴さえつる空そらの、いと暗くらう、掻かき曇くもりて、雪ゆきの、掻かき暗くらし降ふるに、いと心こころ細ぼそく、見み出いだす程ほども無なく、白しろく積つもりて、猶なほ、いみじう降ふるに、随ずい身じん立だちて、
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【枕草子・原文】第68段 草は、

草くさは、菖蒲さうぶ。菰こも。葵あふひ、いと、をかし。祭まつりの折をり、神かみ代よよりして、然さる髪押かざしと成なりけむ、いみじうめでたし。物ものの様さまも、いと、をかし。面おも高だかも、名なの、をかしきなり。心こころ上あがりしけむと思おも
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【枕草子・原文】第63段 良き家の

良よき家いへの、中門ちゆうもん、開あけて、檳榔毛びらうげの車くるまの、白しろう清きよ気げなる、端はし、蘇す枋はうの下した簾すだれの、匂にほひ、いと清きよ気げにて、榻しぢに立たちたるこそ、めでたけれ。五ご位い、六ろく位いなどの、下した襲がさね
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【枕草子・原文】第21段 生ひ先無く

生おひ先さき無なく、忠実まめやかに、似非幸ざいはひなど、見みて居いたらむ人ひとは、燻いぶせく侮あなずらはしく、思おもひ遣やられて、猶なほ、然さりぬべからむ人ひとの娘むすめなどは、差さし交まじらはせ、世よの中なかの有あり様さまも、見みせ習なら

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