【枕草子・原文】第255段 万の事よりも

【第255段】 
 よろづことよりも、なさけことは、をとこは、さらなり、をんなもこそ、めでたくおぼゆれ。ことなれど、せつに、こころふかど、いとほしきことを「いとほし」とも、あはれなるをば「に、おもらむ」などけるを、つたへてたるは、かいて、ふよりも、うれし。「で、ひとおもけり」とも、にしがなと、つねこそおぼゆれ。かならず、おもべきひとべきひとは、べきことなれば、かれも、ず。まじきひとの、いらへをも、こころやすく、したるは、うれしきわざなり。いとやすことなれど、さらに、ことかしおほかたこころひとの、まことに、一方かどからは、をとこも、をんなも、がたことめりまたひとも、おほかるべし

《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!

You cannot copy content of this page

タイトルとURLをコピーしました