【枕草子・原文】第55段 主殿司こそ 原文で読むための枕草子 2022.12.262023.03.04 【第55段】主殿司とのもりづかさこそ、猶なほ、をかしき物ものは、有あれ。下女しもをんなの際きはは、然さばかり、羨うらやまましき物ものは、無なし。良よき人ひとに、せさせまほしき業わざなり。若わかくて、容貌かたち良よく、形なりなど、常つねに、良よくて有あらむは、増まして、良よからむかし。年老としおいて、物ものの例れいなど知しりて、面無おもなき様さましたるも、いと、付付つきづきしう、目安めやすし。主殿司とのもりづかさの、顔かほ、愛敬付あいぎやうづきたらむを、持もたりて、装束さうぞく、時ときに従したがいて、唐衣からぎぬなど、今いまめかしうて、歩ありかせばや、とこそ覚おぼゆれ。 《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!