【枕草子・原文】第55段 主殿司こそ

【第55段】
主殿司とのもりづかさこそ、なほ、をかしものは、れ。下女しもをんなきはは、ばかり、うらやまましものは、し。ひとに、させまほしきわざなり。わかくて、容貌かたちく、なりなど、つねに、くては、して、からかし年老としおいて、ものれいなどりて、面無おもなさまたるも、いと、付付つきづきしう、目安めやすし。主殿司とのもりづかさの、かほ愛敬付あいぎやうづたらを、て、装束さうぞくときしたがいて、唐衣からぎぬなど、いまめかしうて、ありばや、とこそおぼゆれ。

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