【枕草子・原文】第三十段 過ぎにし方、恋しき物 原文で読むための枕草子 2023.01.022024.03.19 【第三十段】過すぎぎにし方かた、恋こひしき物もの、枯かれたる葵あふひ。雛遊ひひなあそびの調度てうど。二藍ふたあゐ・葡萄えび染ぞめなどの裂布さいでの、押おし圧へされて、草子さうしの中なかに有ありけるを、見付みつけたる。又また、折をりから、哀あはれなりし人ひとの文ふみ、雨あめなどの降ふりて、徒然つれづれなる日ひ、捜さがし出いでたる。去年こぞの蝙蝠かはほり。月つきの、明あかき夜よ。 《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!