【第231段】
騒がしき物、
走り火。板屋の上にて、烏の、斎の生飯、食ふ。十八日、清水に、籠もり合ひたる。暗う成りて、未だ、火も燈さぬ程に、外々より、人の、来集まりたる。増して、遠き所、人の国などより、家の主の、上りたる、いと騒がし。「近き程に、火、出で来ぬ」と言ふ。然れど、燃えは、付かざりける。物見、果てて、車の、帰り騒ぐ程。
【第231段】
騒がしき物、
走り火。板屋の上にて、烏の、斎の生飯、食ふ。十八日、清水に、籠もり合ひたる。暗う成りて、未だ、火も燈さぬ程に、外々より、人の、来集まりたる。増して、遠き所、人の国などより、家の主の、上りたる、いと騒がし。「近き程に、火、出で来ぬ」と言ふ。然れど、燃えは、付かざりける。物見、果てて、車の、帰り騒ぐ程。
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