【枕草子・原文】第148段 清気なる男の、双六 原文で読むための枕草子 2024.02.08 清気きよげなる男をのこの、双六すごろくを、日ひ一日ひとひ、打うちて、猶なほ、飽あかぬにや、短みじかき燈とう台だいに、火ひを、明あかく掲あげて、敵かたきの賽さいを、請こひ責せめて、頓とみにも入いれねば、筒どうを、盤ばんの上うへに立たてて、待まつ。狩かり衣ぎぬの領くびの、顔かほに掛かかれば、片かた手して押おし入いれて、いと、強こはからぬ烏ゑ帽子ぼうしを、振ふり遣やりて、「然さは、いみじう呪のろふとも、打うち外はづしてむや」と、心こころ許もと無な気げに、打うち目守まもりりたるこそ、誇ほこりかに見みゆれ。 《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!