【枕草子・原文】第256段 人の上、言ふを、 原文で読むための枕草子 2024.04.09 人ひとの上うへ、言いふを、腹はら立だつ人ひとこそ、いと理わり無なけれ。如い何かでかは、有あらむ。我わが身みを差さし置おきて、然さばかり、もどかしく、言いはまほしき物ものやは有ある。然されど、怪けしからぬ様やうにも、有あり。又また、自おのづから、聞きき付つきて、恨うらみもぞ、する、あいなし。又また、思おもひ放はなつまじき辺あたりは、「いとほし」など思おもひ、解とけば、念ねんじて、言いはぬをや。然さだに無なくは、打うち出いで、笑わらひも、しつべし。 《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!