【枕草子・原文】第321段 好き好きしくて

しく一人ひとりするひとの、よるは、いづらにらむあかつきかへ、やがて、たるだ、ねぶなる気色けしきなれすずりせ、すみこうやかに、ことまかせてなどは、こころめてくまひろげ姿すがたをかしゆ。しろきぬどものうへに、やまぶきくれなゐなどをたるしろひとの、いたしぼたるつ、てて、まへなるひとにもず、わざとだちて、舎人どねりわらはの、付々つきづききを、ちかく、せて、ささめきて、のちも、ひさしくながめて、きやうの、べき所々ところどころなど、しのびやかにくちずさたりおくかたに、御手水てうづかゆなどて、そそのかせば、あゆりて、づくゑかりて、ふみる。おもしろかりける所々ところどころは、ずんたるも、いとをかしあらひて、直衣なほしばかり、て、ろくそらむ。まことに、いとたふとほどに、ちかところなるべし使つかひ、しきばめば、ふと、して、かへごとに、こころるるこそいとほしけれ

《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!

You cannot copy content of this page

タイトルとURLをコピーしました