【枕草子・原文】第八段 正月一日、三月三日は 原文で読むための枕草子 2022.12.272024.03.17 【第八段】正月一日むつきついたち、三月やよい三日みかは、いと、麗うららかなる。五月さつき五日いつかは、曇くもり暮くらしたる。七月ふんづき七日なぬかは、曇くもり、夕ゆふ方がたは、晴はれたる空そらに、月つき、いと明あかく、星ほしの姿すがた、見みえたる。九月ながつき九日ここのかは、暁あかつき方がたより、雨あめ、少すこし降ふりて、菊きくの露つゆも、こちたく、濡そぼち、覆おほひたる綿わたなども、甚いたく濡ぬれ、移うつしの香かも、持もて映はやされたる。早朝つとめては、止やみにたれど、猶なほ、曇くもりて、動ややもすれば、降ふり落おちぬべく見みえたるも、をかし。 《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!