【枕草子・原文】第133段「九月ばかり、夜一夜」

九月ながつきばかり夜一夜よひとよかしたるあめの、今朝けさは、あさの、はなやかたるに、せんざいきくつゆこぼばかりれかかりたるも、いとをかしすいがいもんすすきなどのうへいたる蜘蛛くもの、こぼのこ所々ところどころいとざまあめかかりたるしろたまつらぬたるやうなるこそいみじう、あはれに、をかしけれすこし、ぬれば、はぎなどの、いとおもなりつるつゆつるえだの、うごひとに、ふと、かみざまがりたるいみじう、いとをかしたることひとここは、「つゆをかしから」とおもこそまたをかしけれ

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