雪、高う降りて、今も、猶、降るに、五位も四位も、色麗しう、若やかなるが、上の衣の色、いと清らにて、革の帯のかたつきたるを、宿直姿に、ひきはこへて、紫の指貫も、雪に映えて、濃さ、増さりたるを、衵の、紅ならずは、おどろおどろしき山吹きを出だして、唐傘をさしたるに、風のいたく吹きて、横様に雪を吹き掛くれば、少し傾きて、歩み来る。深沓、半靴などの際まで、雪のいと白く、掛かりたるこそ、をかしけれ。
【枕草子・原文】第241段 雪、高う降りて、

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