【枕草子・原文】第140段 五月ばかりに月も無く

五月さつきばかりに、つきく、いとくら女房にようぼうさぶらたまふ」と、こゑごゑしてへば、(中宮定子)「でてよ。れいならふは、」とおはらるれば、でて、(清少納言)「これは、。おどろおどろしうきはやかなるは」とふに、ものはで、もた、そよろと、るるは、くれたけえだなりけり。(清)「おい。きみこそ」とたるきて、「いざこれ殿でんじやうきて、かた」とて、ちゆうじやうしんちゆうじやうろくどもなど、けるは、
とうべん(藤原ゆきなり)は、まりたまひて「あやしくぬるものどもまへたけりて、うたつるを、(中将など)『しきまゐおなじくは、にようぼうなど、でてを』とひて、つるを、くれたけを、いとはれぬるこそをかしけれたれをしへをりて、ひとの、べて、べくことをば、」などのたば、(清)「たけとも、ものを。なまねたしとおぼらむ」とへば、(成行)「まことぞ。」などのたま
忠実事まめごとなど、はせて、たまへるに、(中将など)「きみしようす」といふじて、またあつまりたれば、(成行)「殿上でんじゃうにて、ひきつる本意ほいは、ど、かへたまぬるぞ、いとあやあしくこそつれ」とのたまば、(中将など)「ことには、なにいらへを。いと、なかなかなら殿でんじやうにても、ののしつれば、主上うへも、こして、きようたまつる」とかたる。べんもろともに、かへがえおなことずんて、いとをかしがれば、人々ひとびとでてる。りに、ものども、はしてかへるとて、なほおなことを、もろごゑずんて、もんじんるまで、こゆ。
翌朝つとめていと少納言せうなごん命婦みやうふふが、御ふみまゐたるに、ことを、けいたれば、しもなるを、て、(中宮)「ことりし」と、はせたまへば、(清)「らず。なにともおもはで、はべしを、ゆきなり朝臣あそんの、たるはべ」とまうせば、(中宮)「すとても」と、ませたまたれことをも、「殿上人でんじやうびとけり」とかせたまふをば、るるひとを、よろこばせたまふも、をかし

《ご案内》『枕草子・目次』のページはこちら!!

You cannot copy content of this page

タイトルとURLをコピーしました