枕草子「珍しと言ふべき事」/原文と訳・意訳

枕草子・訳①

「素晴らしい」と言う様な事ではないけれど、手紙はやはり「特別な物」ね。

遠い世界に暮らす人を、とても覚束無く「どうしているだろう」と思っていても、手紙を見れば、今、目の前にいる様に思う、なんてことだろう。

胸のうちを書き綴れば、手紙があなたの所まで届かなかったとしても、心は届く、そんな気がするの。手紙というものが無かったら、どんなに、鬱々と、暮れ塞ぐ心地がしただろう。

あらゆることを、思って思って、その人の許へと細々と書き綴って過ごせば、覚束無さをも慰められる様な、まして、返事の手紙を見ることが出来たなら、生き返る様。
本当に、これは確かなことだと思うわ。

⚘⚘⚘

⚘⚘⚘

⚘⚘⚘

You cannot copy content of this page

タイトルとURLをコピーしました