家、広く、清気にて、親族は、更なり、唯、打ち語らひなどする人には、宮仕へ人、片つ方に据ゑてこそ有らまほしけれ。然るべき折は、一所に集まり居て、物語し、人の詠みたる詩、何くれと、語り合はせ、人の文など、持て来る、諸共に見、返り事、書き、又、睦ましう、来る人も有るは、清気に、打ち設ひて、入れ、雨など降りて、え帰らぬも、をかしう持て成し、参らむ折は、其の事、見入れて、思はむ様にして、出だし立てなどせばや。良き人の御座します御有様など、いと懐しきぞ、怪しからぬ心にや有らむ。
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